国際交流部よりExchange activity

美味しい匂いにそそられて…

放課後、美味しそうな匂いにそそられて家庭科室へ。

家庭科部の面々が、11月6日(日)開催の獅子舞フェスタで、AMDAへの寄付金集めをする一環で、出店料理の試作をしていました。

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試作料理とは別に、東坡肉(トンポーロー)の調理も。

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肉がやわらかい。

辛いけれどあまい、絶妙な味でした。

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東坡肉の作り手は、中国出身の男子部員。

はみかみながら日本人の女子部員に作り方や料理の由来を教えていました。

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夕食を食堂で食べる時に改めて、東坡肉の産みの親である蘇軾の話を中国人留学生数人に聞きました。

蘇軾(そしょく)は宋代中国の政治家で、11世紀後半に活躍した人物。

その頃の宋は周辺異民族への貢ぎ物や国境防衛の軍事費がふくれ上がり、ひどい財政難におちいっていました。
そこで若い皇帝の神宗は王安石を登用し、財政改革を実施します。
王安石は“新法党”を組織して半ば強引に改革を推しすすめ、“旧法党”との抗争がおこります。

蘇軾は、ことあるごとに王安石と論を交えましたが、とりまきの権謀術数に嫌悪感を覚えたのでしょうか。

地方での奉職をつづけることにしました。

王安石が政界を引退した後、彼の部下たちによる旧法党への弾圧が強まりました。

旧法党の蘇軾は黄州に左遷されてしまいます。

ただ、彼はへこたれることなく、緩やかに流れる長江が一望できる小高い丘に粗末な居を構え、猫の額のような土地を耕して食い扶持を確保します。
そこは古い兵営の跡地、城外の東にあったため、自身を「東坡居子」(とうばきょし)と名乗りました。

宋代の中国において豚肉は最下級の食肉でしたが、蘇軾は豚バラ肉の美味しい食べ方を研究しました。
そうして出来上がったのが、「トンポーロー(東坡肉)」です。

いかに環境が変わろうとも、どんな逆境に見舞われようともたくましく、ただ己が道楽をつらぬいた蘇軾。

次回機会があれば、しなやかな芯が一本通った彼の生涯に思いをはせながら、トンポーロー(東坡肉)を味わいたいと思います。

(国際交流部長 杉原大輔)