国際交流部よりExchange activity

病気を抱える子ども支援・多職種連携フォーラムで学んだことを活かして

コロナ禍前、病弱児の復学支援の実態について、朝日塾中等教育学校の生徒達が事前学習させて頂いた上で、夏祭り運営ボランティアに参加させて頂いた認定NPO法人ポケットサポートが、岡山大学大学院保健学研究科看護学分野と共催して、「病気を抱える子ども支援・多職種連携フォーラム『誰もが助けてと言える社会に』~療養経験者から学ぶ支援者の役割とは~」を開催しました。

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現在もコロナ禍による感染対策のために、病院では面会制限が続いており、小児病棟内での活動はすべてオンラインとなっているようです。

また、小児がんや心臓病を抱えるお子様のいる保護者家族の方にとっても、同じように闘病を続けている保護者同士で相談したり交流したりする機会が減少しており、不安を抱え込んで認定NPO法人ポケットサポートに相談される事例もあるといいます。

小児がんや心臓病などの慢性疾病を抱える子どもたちだけでなく、保護者家族や学校・医療の現場の先生方も、様々な不安や悩みを抱えながら日々、過ごしています。

「みんなが当事者意識を持って、相手の気持ちに寄り添った声掛けやサポートの仕方を考えていきたい」。

その想いから自分が「小さな巨人」と呼んでいる、自身も難病と付き合いながら院内学級で学び、難病を抱える子ども達の支援に取り組んでいる認定NPO法人ポケットサポートの三好祐也代表の呼びかけで開催された2024年2月24日(土)の多職種連携フォーラムでは、病気を抱える子どもたちに関わる様々な職種の方や保護者家族に向けて、病気療養経験のある当事者とその家族が登壇。

現地開催とYouTubeライブ配信というハイブリット形式で全国に発信されました。

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岡山大学鹿田キャンパスJホールで開催された同フォーラムに、朝日塾中等教育学校からは看護師志望の2名が参加しました。

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小児がん患者の母親でもあるNPO法人未来ISSEYの吉田ゆかり代表理事が見せられた難病児のきょうだい児に関する啓発動画は2人の涙を誘いました。

【「『私じゃない私に』きょうだい児のものがたり」.I LOVE 香川-踏み込みTV】

生徒がフォーラムの内容に感動してお礼メッセージを送ってきたので、本人の許可を得てシェアします。

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【高1DP生の感想】
ポケットサポート主催「多職種連携フォーラム」(2/24(土)、岡山大学Jホール)では、色んな視点から実際に難病を経験されたりご家族の難病支援にあたられたりした後に難病の方々のサポートをされている団体の方たちの貴重な生の体験の話を聞けて、すごく良い時間でした。

私は、今まで病気になってしまった方を助けたいという気持ちから看護師という職業を目指していましたが、今回のお話から、その方だけでなく、周りの家族の方の気持ちにも寄り添うことも大事なんだと気付かされました。

参加させてくださり、ありがとうございました。

また今まで、病気にかかってしまった方への対応もずっと悩んでいて、「どうしたらいいのかな」とか「どうしてほしいのかな」とか、たくさん考えていましたが、今回のお話で、言われて嫌な発言もあるけれど、「必要なことしたいけれど何をしたらいい?」って聞けば良くて、そんなに過度に気を遣わなくていいんだと、初めて学びました。

変に気を遣われすぎる方が、当事者の方にとってはつらいから、「普通の人と人」という会話で、将来支えれるような看護師になれたらなと、より一層、看護師になりたいと思うようになりました。

「もっと頑張らなきゃな」って感じることが出来ました。

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【高2DP生の感想】
ポケットサポートが開催するオンラインフォーラムに参加してきました。

病気を抱える子供たちに対して、私たちはどのように支えていくことができるのか。

小児患者やその家族とはどのように接していけばいいのか。

様々な視点からリアルな声を聞くことができました。

子どもたちは退院したあとでも、学校に行く時間が限られていたり、学校行事に参加できなかったり、満足に友達とも遊べなかったり、様々な困難があります。

近年、多様性やマイノリティの権利を唱える社会が、難病患者に対しても手を差し伸べているようで、実はまだまだ制度や理解が充実していないということを感じました。

印象的だったのは、小児患者やその家族を支援するときに気をつけるべきこととして、当事者に対して「過干渉にならないようにする」ということです。

患者に判断を委ね、困難があれば互いに話し合い、生きていくために必要な自己決定力の成長を邪魔しない。

私たち支援者の役割とは、患者が自分自身の生活を管理できるようになるためのサポートをすることであると学びました。

さらに、「病気である」という患者の一部分を意識しすぎるのではなく、その人自身を見つめて接することで、患者自身が「普通のこと」を楽しめたり、病院の外の世界での新たな可能性や関係性を見出したりすることに繋がることができるということに気づきました。

リアルな声を直接聴くことで、支援者の意義や役割を学ぶことができました。

難病や重病を抱える患者にとって、現代社会は足りないことが多いかもしれませんが、「私にできることをしていこう」という想いが強くなりました。

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2人は、古城真秀子医師(国立病院機構岡山医療センター・小児科医長)や看護師を本校メディアセンターにお招きした座談会を3月9日(土)に開催する企画をしています。


3月7日(木)8:20頃から生放送のRadiomomo「夢一途に~朝日塾中等教育学校」では、学ばせて頂いた多職種連携フォーラムと彼女たちの企画について語っていきたいと考えています。

応援よろしくお願いします。

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毎月第1(木)8:20~
岡山シティエフエム Radiomomo(FM790)
「朝刊ラジオ~元気!おかやま」生徒と生出演
※PC・スマホでお聴きになれます(放送時間帯のみ)
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[参照]
認定特定非営利活動法人ポケットサポート.「病気を抱える子ども支援・多職種連携オンラインフォーラム(2024年2月24日開催)」.

(国際交流部長 杉原大輔)