国際交流部よりExchange activity

IBが提示する概念をキーに地理的要素を導入した公民的分野の学習を豊かに〜グローカルな学びの展開〜

東京での全国地理教育学会でのパネラー発表と公開ディスカッション、無事やり切りました。

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以前、同学会発表時に「公民科への地理的要素の導入の方法って、先生がおっしゃる方法しかないですかね。違うアプローチも考えられるんじゃない? 地公連携について考えられている別のアプローチも教えてください」と突っ込まれ、切り抜けられたのかどうか…という状況で終えていたので、その雪辱を晴らす上でも、今回、お招き頂いたのはありがたく、やってきました。

中学校公民的分野の学習は、生徒たちに必要な今の社会システムを理解して、参画するために必要な学習なのに、地歴分野に比べて抽象的な学習が増えて無味感想になりやすいところ、探究の問いを重ねながら地図を活用したワークシートを持たせて、まちに各種人権規定がどの程度反映されているか、フィールドワークすることで授業が変わる。 足を使って調査して、中高生としてまちづくりを提言していく活動によって、生徒たちのその後の学びが深まった実践事例をもとに、科目・教科のワクをこえるある種、飛び道具ともいえる概念をキーに、探究の問いで生徒たちを時にモヤモヤさせながら、我が事として考えさせていく。 

フロアからは、「IB(国際バカロレア)は、グローバルな問題に注目して、ローカルな問題を軽視している教育ではないのかと思っていた」という声も。 
「確かにグローバルな視点で地域を見て分析をかけていく。ただ、生徒たちが発見した地域のローカルな課題から地域の課題を他地域の実践とも比較しながら課題解決をはかりつつ、再び地域から世界を見ていくのが自分たちの実践で、IBOも学校それぞれの文脈というか、背景にもとづいた教育を求めており、教科書すら疑ってかかる一参考文献というIB教育における個々のIB教師に認められた教授の自由は大きく、ローカルな問題を地理的・公民的に分析して学びを深められる」。 
そうお答えしました。 

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 公開ディスカッションでは、文教大学の伊藤教授をオーガナイザーに地公連携の方法を模索。 

活発な議論が行われ、会が終わった後も文教大学教育学部の熱心な学部生や院生さん達を中心に質問や相談を受けました。 

朝日塾DP生に「論文〆切、近づいたよ」「つめが甘い」と言っているだけではなくて、自分もちょいと頑張ってきたので適度なプレッシャーをかけながら(?)、2学期も生徒たちと一緒に、昨日の自分を超えて探究していこうと思います(^O^)! 

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【参考資料】
杉原大輔.「高校公民科NIE授業における地理的要素の導入に関する実践的考察」.『地理教育研究』,9号,2011年10月,pp.23‐31.backnumber_no9.pdf
杉原大輔.「中学校社会科公民的分野における地理的要素の導入に関する実践的考察」.『地理教育研究』,30号,2022年3月,pp.43‐52. backnumber_no30.pdf

(社会科主任 杉原大輔)