紙面の裏側~取材を受ける高3寮生を見て
中1だった現高3生を寮に迎え入れ、授業を担当していたのは、はや5年以上前のこと。
「あのね、先生、わたしな、聞いて聞いて~」と話かけてきていた頃のイメージが今も拭えない。
コロナ禍中、受験期を迎えた彼女達も卒業間近となり、進路選択の岐路に立たされている。
1月26日放課後、高3寮生の永田さんが新型コロナウイルスの受験に及ぼす影響とまん延防止等措の効果に関して思うところを山陽新聞の谷本記者に語った。
「受験期にコロナになるわけにはいかない。
コロナの関係で、地元で受けられる大学に受験を絞らないといけない。
感染時の救済策を政府や各大学が考えてくれているけれど、試験形態が変わるのは正直きつい。
今までと違うやり方に対応するのはリスキーで、精神的にもきつい。
だから、うかつに併願できないし、新幹線を使って実家と寮の往来を繰り返す訳にもいかなくて、第1志望校直前期だけ参加する予備校の対策講座も、参加日程をかなり絞り、実家から通うことにした」。
言葉の端々に苦悩がにじむ。
「本当は、年末年始の人流を規制してほしかったけれど、まん延防止等措置発令は、受験生にはありがたい。
ただ、みんな、まん防に慣れすぎて、最初ほどの効果は望めないのではないか。
受験生と受験生以外の危機感に温度差を感じる」。
記者の問いに真摯に答える彼女の姿に成長を感じると共に、「寮から感染者を出さない。出てしまったとしても最小限に抑える」という覚悟を新たにした。
【参照】「我慢生活諦め交じり 岡山県まん延防止」.山陽新聞.2022年1月27日朝刊.29面
(国際交流部長 杉原 大輔)